第8回 なぜReferenceと何度も比較するのか?判断基準を身につけるために大切なこと
ここまでのシリーズでは、 Referenceを決める キックを選ぶ ピッチを確認する 音量を揃える EQで整える トランジェントを調整する Analyzerで確認する という流れをご紹介してきました。 しかし、これらすべてに共通していることがあります。 それは、 Referenceと比較しながら判断すること。 私は15年以上にわたりダンスミュージックを制作・指導してきましたが、完成度を高めていく人ほど、この「比較する習慣」が身についています。 今回は、このシリーズの締めくくりとして、Referenceの本当の役割についてお話しします。 Referenceは「答え」ではなく「基準」 Referenceというと、 「その曲を真似すること」 だと思われることがあります。 しかし、本当に大切なのは、 自分の音との違いを知るための基準にすることです。 比較する対象があるからこそ、 低域が多いのか アタックが強いのか 音が長いのか 高域が足りないのか といった違いを客観的に判断できるようになります。 比較するたびに耳は育っていく 最初は違いが分からなくても大
第7回 Analyzerは何を見るためのツール?耳と組み合わせることで判断力は高まる
「Analyzerを見れば、プロのような音が作れる。」 そんなイメージを持っている方もいるかもしれません。 確かにAnalyzerは便利なツールです。 周波数バランスやピークを視覚的に確認できるため、多くのプロも制作で活用しています。 しかし、15年以上ダンスミュージックを制作・指導する中で私が感じているのは、Analyzerは答えを教えてくれるツールではないということです。 今回は、プロのようなサウンドに近づくためのAnalyzerとの向き合い方をご紹介します。 Analyzerは音を「見る」ためのツール Analyzerは、音を視覚化してくれるツールです。 例えば、 周波数バランス キックのピーク 低域のエネルギー 高域の分布 などを画面で確認できます。 耳だけでは気付きにくい違いを客観的に見ることができるため、制作ではとても役立ちます。 グラフを真似することが目的ではない Analyzerを使い始めると、 Referenceと同じ形にしようと考えてしまうことがあります。 しかし、 グラフが同じになれば、 同じ音になるわけではありません。 キ
第6回 トランジェントを整える理由|アタックを強くすれば良いわけではない
「トランジェントシェイパーを使えば、もっと迫力のあるキックになる。」 そう思っている方は少なくありません。 確かにトランジェントを調整すると、キックの印象は大きく変わります。 しかし、ただアタックを強くすれば完成度が上がるわけではありません。 私は15年以上のレッスンを通して、多くの受講生の楽曲を聴いてきました。 その中で感じるのは、プロのようなサウンドに近づく人ほど、「迫力を出す」ことよりも、「曲に合ったアタックを選ぶ」ことを大切にしているということです。 今回は、トランジェントを調整する本当の目的についてご紹介します。 トランジェントとは? トランジェントとは、音が鳴り始める瞬間のアタック部分のことです。 この部分を調整することで、 パンチのある印象 柔らかい印象 前に出る印象 落ち着いた印象 など、キックのキャラクターが変化します。 そのため、ジャンルや曲調に合わせて調整することが重要になります。 アタックを強くすれば良いわけではない 初心者の方ほど、 「もっとアタックを強くした方が迫力が出る。」 と考えがちです。 しかし、アタックを強調し
第5回 プロのようなサウンドに近づけるには?EQの本当の役割
「EQを使えば、プロのような音になる。」 DTMを始めた頃は、私もそう思っていました。 低域を上げれば迫力が出る。 高域を上げれば抜けが良くなる。 そんなイメージを持っていた時期があります。 しかし、15年以上にわたってダンスミュージックを制作・指導する中で実感したのは、EQは音を劇的に変える魔法のツールではないということです。 今回は、プロのようなサウンドに近づくために知っておきたい、EQの本当の役割についてご紹介します。 EQは「音を作る」のではなく「音を整える」ためのツール EQは非常に便利なツールですが、万能ではありません。 例えば、 キックのアタックが弱い 重心が違う 音色そのものが目標と違う このような状態では、EQだけで理想の音に近づけることは難しいでしょう。 だからこそ、まずはReferenceに近い素材を選び、その上でEQを使って細かな違いを整えていくことが大切です。 大きくブーストする前に考えたいこと 思うような音にならないと、 「もっと低域を上げよう。」 「もっと高域を足そう。」 と考えてしまうことがあります。 しかし、大き
第4回 音量を揃えるだけで判断力が変わる理由
「EQを調整したら、音が良くなった気がする。」 DTMを始めたばかりの頃、多くの方が経験することではないでしょうか。 しかし、その変化は本当にEQによるものなのでしょうか。 私は15年以上にわたりダンスミュージックを指導する中で、音作りが思うように進まない原因の一つとして、音量を揃えずに比較していることが挙げられると感じています。 今回は、プロのようなサウンドに近づくために欠かせない**「音量を揃えて比較する」**という考え方をご紹介します。 人の耳は大きい音を良い音と感じやすい 私たちの耳は、とても優秀な反面、思い込みの影響も受けやすいものです。 同じ音でも、少し音量が大きくなるだけで、 パワーがある 抜けが良い 音質が向上した と感じてしまうことがあります。 そのため、音量が異なる状態では、EQやコンプレッサーによる変化を正しく判断することが難しくなります。 音量を揃えない比較は正しい判断ができない 例えばEQで低域を少し持ち上げると、全体の音量がわずかに上がることがあります。 すると、 「EQのおかげで音が良くなった。」 と思ってしまうかも
第3回 キックのピッチを合わせないと何が起こる?低域がまとまる第一歩
「キックの音程なんて気にしたことがない。」 DTMを始めたばかりの頃は、そう考える方も少なくありません。 しかし、思うように低域がまとまらない、ベースとぶつかって聴こえると感じる場合、その原因の一つがキックのピッチであることがあります。 私は15年以上にわたりダンスミュージックを指導する中で、多くの受講生がこの工程を見直すだけで、低域の印象が大きく変わる場面を見てきました。 今回は、プロのようなサウンドに近づくために大切なキックのピッチについてご紹介します。 キックにも音程があります キックは打楽器ですが、多くのサンプルには低域の基音があり、音程を持っています。 その音程が曲のキーやベースとかけ離れていると、低域が濁って聴こえたり、まとまりが悪く感じられることがあります。 もちろん、すべての曲で完全に合わせる必要があるわけではありません。 しかし、まずはキックにも音程があるということを知っておくことが大切です。 ベースとの相性を確認する キックだけをソロで聴くと、違いは分かりにくいかもしれません。 ですが、ベースと一緒に再生すると印象が変わること
第2回 キック選びだけで音は半分決まる?完成度を左右する最初の判断基準
「EQで調整しても、コンプレッサーをかけても思うような音にならない。」 そんな経験はありませんか? 実は、その原因はプラグインではなく、最初に選んだキックサンプルにあることが少なくありません。 私は15年以上のレッスンや海外での制作活動を通して、多くの楽曲を分析してきました。 その中で感じるのは、プロのようなサウンドに近づく人ほど、音作りを始める前の「素材選び」に時間をかけているということです。 今回は、完成度を左右するキック選びの考え方についてご紹介します。 キック選びは音作りのスタートライン キックを選ぶ工程は、とてもシンプルに見えます。 しかし、この段階で方向性が決まってしまうことも少なくありません。 例えば、 柔らかいキックを硬い音にしたい 短いキックを長くしたい 軽いキックを重くしたい このような調整はある程度できますが、素材そのもののキャラクターを大きく変えることには限界があります。 だからこそ、完成度を高めるには、最初に目標へ近いサンプルを選ぶことが大切です。 「良いキック」ではなく「合うキック」を選ぶ 初心者の方ほど、 「このキッ
第1回 プロのようなキックを作るには?まず知っておきたい8つの判断基準
「何時間もキックを調整しているのに、なぜかプロのような音にならない。」 DTMを始めたばかりの頃、多くの人が一度は感じる悩みではないでしょうか。 私自身、世界で活躍するアーティストの楽曲を数え切れないほど分析し、海外でのライブ活動や15年以上にわたるレッスンを通して試行錯誤を重ねてきました。 その中で強く感じているのは、 音の完成度を左右するのは、高価なプラグインではなく「何を、どの順番で判断するか」だということです。 初心者の方ほどEQやコンプレッサーから調整を始めてしまいますが、完成度を高めるには、その前に確認しておきたいポイントがあります。 今回は、私がキック制作で大切にしている8つの判断基準をご紹介します。 ① Reference(基準曲)を決める キック制作は、いきなり音を作り始めるものではありません。 まず最初に行うのが、Reference(基準曲)を決めることです。 ここで重要なのは、 「好きな曲」ではなく、「目標となるサウンド」を選ぶこと。 Referenceがあることで、 「今、自分の音はどこが違うのか」 を客観的に判断できるよ
Referenceと比較するだけで音が変わる。作曲ができてもミックスで悩む理由
「曲は作れる。でも、プロのような音にならない。」 これはDTMを続けている多くの方が、一度は感じる悩みではないでしょうか。 今日のレッスンでも、そんな場面がありました。 今回の生徒さんは、作曲やアレンジはすでにできる方です。 しかし、ミックスを本格的に学ぶのは今回が初めてでした。 レッスンが終わった後、生徒さんが驚いた表情でこう言いました。 「こんなにプロみたいな音になるんですね。」 その言葉を聞いて、私も嬉しくなりました。 特別なプラグインは使っていません 高価なプラグインを追加したわけではありません。 最新の機材を使ったわけでもありません。 やったことは、とてもシンプルです。 Reference(基準曲)と自分の曲を比較すること。 それだけです。 プロは何を聴いているのか レッスンでは、まずReferenceを聴きます。 次に、自分の曲を聴きます。 そして、 「何が違うのか?」 を一緒に分析していきます。 例えば、 キックの迫力 ベースとのバランス 高域の明るさ 奥行き 全体の音量感 一つずつ確認しながら修正していきます。...


Boom Festivalで2時間30分セット中3曲プレイ。EDMS受講生が世界最高峰のフェスで評価された理由
Boom Festivalとは? Boom Festivalは、ポルトガルで2年に一度開催される、世界最大級のPsytranceフェスティバルです。 世界中から数万人の音楽ファンが集まり、世界トップクラスのDJやアーティストが出演します。 出演や楽曲がプレイされることは、多くのPsytranceアーティストにとって大きな目標の一つです。 そのBoom Festivalで、2時間30分のDJセットの中でEDMS受講生の楽曲が3曲プレイされました。 これは偶然ではなく、世界で評価されるサウンドを目指し、一つひとつ基礎を積み重ねてきた結果です。 ぜひ、ご自身の耳でご確認ください。 1曲目 🎧 44:04 Shivaya Namah https://youtu.be/qAJoQnFpQl0?t=2644 2曲目 🎧 59:09 Waking Life~Supersense https://youtu.be/qAJoQnFpQl0?t=3549 3曲目🎧 02.12:44 Brainstorm https://youtu.be/qAJoQnFpQ




