第5回 プロのようなサウンドに近づけるには?EQの本当の役割
- 1 日前
- 読了時間: 4分
「EQを使えば、プロのような音になる。」
DTMを始めた頃は、私もそう思っていました。
低域を上げれば迫力が出る。
高域を上げれば抜けが良くなる。
そんなイメージを持っていた時期があります。
しかし、15年以上にわたってダンスミュージックを制作・指導する中で実感したのは、EQは音を劇的に変える魔法のツールではないということです。
今回は、プロのようなサウンドに近づくために知っておきたい、EQの本当の役割についてご紹介します。
EQは「音を作る」のではなく「音を整える」ためのツール
EQは非常に便利なツールですが、万能ではありません。
例えば、
キックのアタックが弱い
重心が違う
音色そのものが目標と違う
このような状態では、EQだけで理想の音に近づけることは難しいでしょう。
だからこそ、まずはReferenceに近い素材を選び、その上でEQを使って細かな違いを整えていくことが大切です。
大きくブーストする前に考えたいこと
思うような音にならないと、
「もっと低域を上げよう。」
「もっと高域を足そう。」
と考えてしまうことがあります。
しかし、大きくブーストする前に、
「なぜその帯域を調整したいのか」
を考えてみてください。
Referenceと比較しながら理由を明確にすることで、不要なEQを減らしやすくなります。
引き算の発想も大切
EQというと「足す」ことをイメージしがちですが、
完成度を高めるには、「不要な帯域を整理する」という考え方も重要です。
不要な帯域が整理されることで、
必要な帯域が自然に聴こえる
他の楽器とのバランスが取りやすくなる
ミックス全体がすっきりする
といった効果が期待できます。
Referenceとの違いを確認する
EQを調整するときも、
「何となく良くなった。」
という感覚だけで進めるのではなく、
Referenceと比較しながら、
低域の量
中域の印象
高域の抜け
などを確認する習慣をつけましょう。
その積み重ねが、判断力を育ててくれます。
EQは最後ではなく制作全体の一部
EQだけで完成度を上げようとすると、どうしても限界があります。
音作りは、
Referenceを決める
キックを選ぶ
ピッチを確認する
音量を揃える
EQで整える
というように、一つひとつの工程がつながっています。
どこか一つだけに頼るのではなく、全体の流れの中で考えることが、プロのようなサウンドに近づく近道です。
まとめ
EQは、とても重要なツールです。
しかし、本当に大切なのは、
「どこを、なぜ調整するのか」を判断できること。
私はレッスンでも、
「EQを動かす前に、まず理由を考えましょう。」
とお伝えしています。
その習慣が身につくと、必要以上にEQをかけることが減り、より自然で完成度の高いサウンドを目指せるようになります。
プロのようなサウンドに近づくためには、EQの操作だけではなく、その前にある「判断基準」を身につけることが大切です。
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キック制作シリーズ
□ 第1回 プロのようなキックを作るには?まず知っておきたい8つの判断基準
□ 第2回 キック選びだけで音は半分決まる?完成度を左右する最初の判断基準
□ 第3回 キックのピッチを合わせないと何が起こる?低域がまとまる第一歩
□ 第4回 音量を揃えるだけで判断力が変わる理由
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